RX-7(FC3S)と永遠に共に。夫婦の出会いを生み、3人家族とともに回り続けるロータリーエンジン

  • マツダのRX-7(FC3S)

決して車内が広いとはいえないRX-7(FC3S)に3名乗車で『GAZOO愛車広場 出張撮影会in千葉市』へとご来場いただいたこちらのご家族。日頃から愛情を注がれているであろうことが伝わってくる1991年式のRX-7は、奥様の『にしき』さんが9年前から乗り続けている初めての愛車なのだという。

さらにお話を伺ってみると、なんと旦那さんの愛車はFD3S型のRX-7とのこと。出会った当時からおなじRX-7のオーナーであり続けているというクルマ好き夫婦のお2人から、今回はにしきさんとFC3Sにスポットを当ててお話を伺った。

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「このFC3Sを買ったのはアニメの『頭文字D』を見たのがキッカケでした。もともと色んなアニメが好きで、クルマにもちょっと興味があるような感じだったんですが、それを知っている友人から頭文字Dを勧められて、それを見はじめたらすぐに作中のクルマが欲しくなって探し始めました」

ところが、第一候補となったのはRX-7のなかでも、FD3Sのほうだったという。
「リトラクタブルライトのデザインが好きで、FD3SとFC3Sどちらも良かったんですけど一番はFD3Sで。だけど、FD3Sは3ナンバーだから家の駐車場にはちょっと大きかったんです。それで、ひとまわり小さいFC3Sのほうを選びました」

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そして、中古車屋をめぐって探し当てたというのが、フルノーマルで黒いボディのFC3Sだった。
「クルマを買うこと自体が人生で初めてだったこともありますし、当時でも20年くらいの旧車だったので、知らない人がイジったクルマを買うよりは安心だろうと思ってノーマルを買いました。それでも乗ってからは壊れるところが多くて色々と苦労してきましたが(笑)」

とはいえ、憧れのFC3Sに乗り始めるにあたってこだわりだったのがボディカラー。納車にあたって頭文字Dの作中に登場するFC3Sとおなじホワイトカラーにオールペンを施し、晴れてセブンオーナーとしての第一歩を踏み出した。

  • マツダのRX-7(FC3S)とRX-7(FD3S)

「旦那と知り合ったのも、それからすぐだったんです。FC3Sを買ってまずは情報収集のためにとSNSを始めてオフ会に参加して、そこで知り合ったFD3Sオーナーが彼でした。実は彼も私と同じ年にFD3Sを買っていて、車検の時期も1ヶ月違いというくらいでしたね」

出会いのタイミングはどちらもRX-7を納車して半年を過ぎるかどうかという時期だったというお2人。こちらの写真はその当時、出会ったばかりのころに撮影したという1枚だ。
そして、2人は2台のRX-7が最初の車検を迎える前に結婚。出産も経験し、今では7才で小学1年生となった長女との3人家族として暮らしている。

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  • マツダのRX-7(FC3S)
  • マツダのRX-7(FC3S)とRX-7(FD3S)

そんなにしきさんご夫婦が歩んできたカーライフにおいて特筆すべき点は、ファミリーカーやセカンドカーなどを購入することなく、にしきさんのFC3Sと旦那さんのFD3Sという2台だけを乗り続けてきているところだろう。
ちなみに旦那さんのFD3Sのほうは、独身時代に2名乗車定員として車検登録していたものを、お子さんを乗せるために4名乗車定員へ戻したというエピソードも。

「FC3Sは維持費もかかって、ここを直したと思ったら次はあそこが壊れて…という感じで。しかもそれが車検のタイミングと重なったりしたときには、正直乗り続けるか悩んだこともありました。だけど、母親が昔同じように結婚を機に好きなクルマを手放して、それをとても後悔したと話していたことがあったんです。その話が心に残っていたこともあって、自分は後悔しないようにしたいな…とFC3Sを手放すことはしませんでした」

  • マツダのRX-7(FC3S)
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所有する苦労がある反面、FC3Sに乗り続けていなければ決して体験できなかった楽しさも数多く経験することができた。
「新劇場版『頭文字D』の3作目が公開されたときに、縁があってオートサロン2016の映画PRブースとお台場MEGA WEBの展示車両として、このFC3Sが選んでもらえたんです」
また、自分の普段の運転技術の向上につながればと、サーキット走行やジムカーナ練習会に参加してみたこともあったそうだ。
室内の追加メーター類や、サイドバー付きのロールバーもその当時の名残という。

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エアロパーツは「好きなデザインのものを選んで、少しずつ替えてきたのでメーカーはバラバラなんです」とにしきさん。選んだメーカーには藤田エンジニアリングやRE雨宮、Rマジックといった名だたるロータリーチューニングショップの名前が並ぶ。

ホイールは純正のメッシュタイプから「深リムがカッコよかったというのもあるんですが、一番の理由は洗車のしやすさですね(笑)。メッシュはスポークの本数が多いから大変だったので、5本スポークのものを選びました」とのことで17インチのワークマイスターS1に交換されている。

  • マツダのRX-7(FC3S)
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また、外装面でのこだわりでは「FCは特に白いボディのオーナーが多いので、なるべくかぶらないようにUK(英国)仕様にしています」とにしきさん。
さらに、ドアには好きなゲーム作品という『Fate/Grand Order』のジャンヌダルクをモチーフにしたデカールを追加するこだわりも。

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いっぽうで、なるべくノーマルのコンディションをキープするように心がけているというのがエンジンルーム。旧車ゆえのトラブルを少しでも減らせるように、メンテナンスはなるべく純正部品を使い、アフターパーツはコーヨー製のラジエターなど必要最小限におさめているという。

搭載されている13B-Tエンジンは、購入以前からノンオーバーホールのまま現在16万キロを迎えようとしているそうで「まだまだ圧縮は大丈夫そうなんですが、20万キロが近づいているので、そろそろお金の都合を見つつオーバーホールも考えています」とのこと。

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これまでも、旦那様の協力はもちろん、仲間のFCオーナーからの助言もあって所有を続けられてきたという愛車について、手放す未来を想像できないとも話してくれたにしきさん。
「FCは初めて買った愛車だし、いままで知らなかったいろいろなことを教えてくれたクルマですから『FCに乗っていた』というように、過去形で話すようなクルマにはしたくないんです」

そんな言葉を聞いて、にしきさん、旦那様、そして娘さんがまるでロータリーエンジンの三角形のように美しい調和を描きながら、いつまでもRX-7とのカーライフが続いていく姿を想像したくなるのだった。

『GAZOO愛車広場 出張撮影会 in 千葉市』
取材協力:フェスティバルウォーク蘇我

(⽂: 長谷川実路/ 撮影: 堤 晋一)

[GAZOO編集部]

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出張撮影会での愛車訪問(3カット撮影)

MORIZO on the Road