【連載全14話】第5話 サーブ・ソネットII・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

サーブ・ソネットII

航空機メーカーの自動車部門として1947年に設立されたスウェーデンのサーブ。1950年から空力的なボディーにドイツのDKWを範とした2ストローク2気筒エンジンを積んだFF車であるサーブ92をつくり始めた。その発展型として1955年に登場し、国際ラリーでも活躍した2ストローク3気筒エンジン搭載車がサーブ93であり、93のメカニカルコンポーネンツを流用し、1956年にデビューしたサーブ初のスポーツカーがソネットである。ソネットはアルミ製のシャシーにFRP製の2座ロードスターボディーを載せていたが、試作のみで終わった。

それから10年を経た1966年に市販化されたモデルがソネットII。スチール製のボックスセクションと鋼管を組み合わせたシャシーに、FRP製の2座クローズドクーペボディーを架装。パワートレインは93の発展型である96の高性能版、モンテカルロと共通で、エンジンは最高出力60PSを発生する2ストローク3気筒841cc。4段MTもモンテカルロ用で、ラリー用のワークスカーまでコラムシフトだったモンテカルロと同様、スポーツカーとしては異例なことにシフトレバーはコラムから生えていた。

710kgという軽い車重と空力的なボディーによって最高速度170km/hという高性能を誇ったが、翌1967年には早くもエンジンを換装。将来的な排ガス対策を見据えて、ベースとなる96がパワーユニットをドイツ・フォード製の1.5リッターV4に変更したのに歩調を合わせてソネットV4(写真)となったのだった。その後1970年にマイナーチェンジ。リアウィンドウを開閉可能なガラスハッチとし、リトラクタブルライトを備えるなどボディーをリスタイルし、シフトレバーをフロアに移したソネットIIIに発展、1974年までつくられた。

[GAZOO編集部]

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