原付免許とは?取り方とかかる費用、試験当日に必要なもの、問題内容について

「原付免許」は、すべての原付バイクに乗れる免許ではないことをご存じでしょうか。本記事では、原付免許とはいったいどのようなものなのかご説明します。また、取得したい方向けに原付免許の取り方の流れや費用、試験問題、勉強方法なども解説しますので、是非、参考にしてみて下さい。

原付免許とは?

原付免許は、「原動機付自転車」を運転するために必要な免許です。

原付免許には取得するための条件があり、取得から一定期間を過ぎると免許の更新をしなければなりません。

ここでは原付と呼ばれているバイクに乗る上で知っておくべき、免許取得のための条件および更新にかかる費用について解説していきます。

原付とは?正式名称は?
原付は、「原動機付自転車」の略称で、小型の動力源(エンジンやモーターなど)で動く二輪車のことです。

通常一般的に、「原付」と呼ばれるバイクは、排気量50cc以下・出力0.6kW以下のものを指します。しかし、実際「原付バイク」は2種類あり、排気量は125cc・出力1.0kWまで存在します。

原付免許で乗れるバイクとは?全部の原付バイクには乗れない!

また、原付の運転免許の正式名称は「原動機付自転車免許」です。
ちなみに履歴書の免許・資格欄に原付免許を取得している旨を記載する場合は、きちんと正式名称の「原動機付自転車免許」と記載する必要があります。

原付免許の取得条件とは?

年齢:満16歳以上
視力:両眼0.5以上(片眼の場合、視野が左右150度以上・視力0.5以上)
住所:免許を取得する地域に住んでいる
聴力:10メートル以上のところから90db(デシベル)の音を聞き取れる
色覚:赤・青・黄を区別できる
身体能力:身体機能に障害がない
原付免許の取得条件は、年齢や視力など上記に挙げたとおりです。原付免許試験前に行う適性試験で、上記の取得条件を満たしているかどうかチェックされます。

原付免許の費用は?

合計8,050円
費用の内訳
試験手数料:1,500円
講習受講料:4,500円
交付手数料:2,050円

住んでいる自治体にもよりますが、原付免許取得には約8,000円の費用がかかります。これは、試験の受験料や試験後の講習受講料、免許の交付手数料の合計金額です。

なお、免許申請のためには証明写真を用意する必要があります。証明写真代は700~1,000円程度かかりますので、原付免許の費用とは別に準備しておきましょう。

原付免許って更新が必要?有効期限は?
原付免許には有効期限があり、更新が必要です。有効期限が近くなると、「更新通知書」というハガキが地域の公安委員会から送られてきます。

ハガキが届いたら、誕生日の前後2ヶ月の期間を目安に更新手続きをしましょう。

免許の有効期限や更新手数料は、何回目の更新であるか、違反の有無などで異なります。初回更新者や違反運転者の場合、有効期限が短く、更新手数料も多少高くなることが特徴です。
講習区分 有効期限 更新手数料
初回更新者 3年 3,850円
違反運転者
一般運転者 5年 3,300円
優良運転者

なお、原付免許更新の流れは、基本的に取得する際の流れと同じです。
免許の更新では、適性検査後の試験や講習が「更新講習」にあたります。原付免許の取り方は、記事後半で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。

原付免許の取り方の流れ

原付免許で乗れるバイクとは

排気量50cc以下、出力0.6kW以下のバイク(原付一種)

原付免許で乗れるのは、上記の条件を満たす「原動機付自転車」です。
「原付」というバイクは一種と二種2つの区分があり、原付免許では一種にあたるバイクのみが運転できます。

原付二種は、排気量50cc超え〜125cc以下・出力0.6kW越え〜1.0kW以下のバイクです。原付二種を運転するには、小型限定普通二輪免許もしくは AT小型限定普通二輪免許を取得する必要があります。

【参考:原付一種・二種の違い】

原付免許の取り方の流れ

1.申請書の記入
2.受付
3.適性検査
4.学科試験の受験
5.原付講習の受講
6.原付免許の交付

原付免許に技能試験はありません。学科試験と、それに合格してから行う原付講習を経て取得する流れです。

申請書に必要事項を記入したら、「証紙」を購入して手数料を支払い、受付を済ませます。

その後適性検査を受けて、問題がなければ学科試験を受験。学科試験に合格したら、免許証に使われる写真撮影や暗証番号登録などの手続きを行います。

その後、実際に原付バイクを使った講習を受講。この講習で問題がなければ、最後に原付免許が交付されます。

原付免許試験の予約方法
原付免許試験の予約は、各都道府県の運転免許センターやホームページなどから行えます。予約方法は、主にパソコン・スマートフォンを利用したオンライン予約、または電話予約などです。

取得する場所・都道府県により、予約の要・不要や予約方法が異なりますので、しっかり確認しておきましょう。

試験当日に必要なもの

・住民票の写し(本籍の記載があるもの)
・申請用写真
・身分証明書
・手数料(都道府県により異なる)

原付免許の試験当日に必要なものは、は以下のものを準備しておく必要があります。

申請用写真は、縦3cm・横2.4cmのサイズで、試験当日より6ヶ月以内に撮影したものを用意しましょう。原付免許以外の免許証を持っている場合は、忘れずに持参してください。

上記のほか、筆記用具や必要な人はめがね・コンタクトレンズなども用意しておきましょう。

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原付免許の試験について

・問題形式:マークシート
・問題数:全48問
・解答時間:30分
・合格基準:45点以上
・合格率:60.7%(令和3年)

原付免許の学科試験では、◯×のマークシート方式の問題が出題されます。

試験時間は30分とそれほど長くありませんが、全部で48問あるため時間配分を意識して解くことが大切です。

内容は、配点1点の文章問題が46問、2点のイラスト問題が2問あり、45点以上正解で合格できます。令和3年の合格率は約6割とあまり高い数字ではないため、十分な試験対策を行うことが合格のカギといえるでしょう。

学科試験後の講習について

原付を運転するのに適した服装で行う(サンダルやハイヒールはNG)

原付免許の講習は、長袖・長ズボン・スニーカー・乗車用ヘルメットを身につけて行うことが基本です。講習では実際に原付を使って、運転方法や各部位の扱い方を教わります。

サンダルやハイヒールなどは避けて、運転にふさわしい動きやすい服装を意識しましょう。
雨が降っている場合は、安全面を考えて上下分かれたレインコートを着て行います。

原付免許の学科試験に合格するためには、主に上記3つを踏まえた対策をしておく必要があります。問題の傾向を事前に知って、落ち着いて試験に臨めるようにしましょう。

過去問題や模擬試験で対策する

原付免許の試験対策として、できるだけ多くの試験問題に触れることが大切です。参考書の過去問題を解いたり模擬試験を受けたりして、試験問題の雰囲気をつかんでおきましょう。

最近は、原付免許の模擬試験を受けられるネットサービスも充実しています。このようなサービスを積極的に活用してみるのもいいでしょう。

時間配分を考えて問題を解く

原付免許の学科試験では時間配分を十分に行い、確実に解いていくことが重要です。試験時間30分に対して出題数48問と、問題を解く時間はかなり限られています。

参考書の過去問題を解く際にも、本番と同じ制限時間で解くようにすると、本番の感覚を養えるでしょう。模擬試験を受験することも時間配分の練習になります。

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ひっかけ問題に注意する

原付免許の学科試験では、うっかり間違えやすいひっかけ問題もあります。

普段は落ち着いて問題を解けていても、試験本番の焦りや緊張からこのような問題で点数を取りこぼすのは、とてももったいないことです。

制限時間を守ることも大切ですが、失点を防ぐためには問題文を落ち着いて読むことも大切。時間配分は意識しつつ、問題の読み間違えや思い込みがないよう注意しましょう。

原付免許に関するよくあるQ&A

原付免許の取り方や試験の概要について、よくある疑問点をまとめました。もし原付免許についてまだわからないことがある方は、以下のQ&Aを参考にしてみてください。

Q.原付免許で乗れるバイクの種類は?

A.排気量50cc以下、出力0.6kW以下のバイクです。

原付免許を取得することで乗れるのは、「原付一種」と呼ばれる排気量50cc以下、出力0.6kW以下のバイクです。これよりも大きな「原付二種」を運転するには、小型限定普通二輪免許や AT小型限定普通二輪免許を取得する必要があります。
詳しくは、以下の項目を確認しましょう。

原付免許で乗れるバイクについて詳しくはこちら

Q.普通自動車免許があれば原付に乗れる?

A.上位免許なので、原付を運転できます。

すでに普通自動車免許を持っている方は原付にも乗れます。小型二輪や大型自動車など、そのほかの上位免許の場合も同様です。

なお運転免許証には、大型自動車や中型自動車といった12車種の分類が略号で表記されており、どの車種を運転できるかわかるようになっています。

ただし、最初に取得したのが普通自動車免許の場合、原付の略号は表記されません。表記がないと原付を運転できないと思いがちですが、省略されているだけなので安心してください。

Q.原付免許を取れる場所は?

A.各都道府県の運転免許センターなどで取得できます。

一般的に原付免許は、各都道府県にある運転免許センターや警察署で取得可能です。ただし、各都道府県により場所は異なります。具体的にどこで原付免許を取得できるか、自分が住んでいる都道府県の情報をしっかりチェックしてください。

Q.原付免許試験は予約が必要?

A.予約せずに受験できる場合もあります。

基本的に原付免許試験の受験には予約が必要ですが、地域によっては予約が不要な場合もあります。自分が住んでいる地域や各運転免許センター、混み具合などによって異なるため、事前に情報をチェックしておきましょう。

Q.原付免許試験に出る問題は?

A.マークシート形式の問題が出ます。

原付免許試験の問題は、○×2択のマークシート方式で出題されます。マークシートですので、回答がきちんと反映されるように濃く塗りつぶすことが大切です。

内容は、文章問題46問(配点1点)・イラスト問題2問(配点2点)で構成されています。原付免許試験の問題について、詳しくは以下で確認しましょう。

原付免許の試験について詳しくはこちら

Q.原付免許の更新はいつ?

A.初回の取得から3年間で更新します。

原付免許の更新手続きは、誕生日の前後2ヶ月のタイミングで行います。原付免許を取得後、初めて更新する場合の有効期限は3年間です。更新期間と費用は、更新回数や交通違反の有無などによって異なります。

原付免許の更新の流れは、以下でおさらいしましょう。

原付免許の更新について詳しくはこちら

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原付免許取得のためにしっかり準備しましょう

原付免許は、排気量50cc以下・出力0.6kW以下の「原動機付自転車」の運転に必要な免許です。

免許を取得するためには、学科試験に合格し、運転講習を受ける必要があります。原付免許の取り方の流れから必要な持ちもの、勉強のポイントなどを一通り頭に入れて、きちんと対策しておくことが大切です。

原付バイクを運転できるように、原付免許の基本をきちんと押さえて取得を目指しましょう。

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