ギラギラや撥水などガラスケアのイライラや悩みを解消・・・カーアイテム活用術①

  • ギラギラや撥水などガラスケアのイライラや悩みを解消・・・カーアイテム活用術①

カーケアの手間を省いて、仕上がりをよくするポイントはアイテム使いにあり! この連載ではカーアイテム使いの極意を伝授していこう。第1回の今回は悩みの集中スポット、ガラスまわりを解決だ!

クルマの手入れに限らず、何事も正確で丁寧な作業というのは大切なこと。ただし、ノウハウや技術の問題も、アイテム使いでなんなくクリアできることも多い。つまり、上手にアイテムを使えば、誰でもきれいな仕上がりが可能とも言える。

とくに、クルマのお手入れ関係では「がんばったけど思ったほどきれいにならない」とか、「何度やっても解消できない」という声を聞くことが多い。そのなかでも筆頭格がガラスまわりだ。ざっときれいにするのは簡単だけど、光の加減でムラが発生したり、ワイパーを動かせば拭きスジが出たりする。今回はウインドウまわりのお悩みをアイテム使いで解消しよう!

お悩み解消STEP① 拭いても拭いても出てくるムラを消したい!

ムラの原因は余分な成分と心得よ

ガラスクリーナーを使って全体を拭き上げて、きれいになったゾ、と思いきや目線や光の加減が変わると出てくるのが微妙に残るムラ。ときには真っ白で、拭いた跡が丸わかりだったして、イライラさせられることこの上なし。ガラスというのはそもそもクリアなものなのに、なぜこれほどまでに手こずるのか? 洗車のプロでもウインドウクリーニングは難しいと言うほどだったりする。

そもそも、ムラの原因は取り切れていない汚れは当然として、矛盾するようだが、ガラスクリーナーの成分だったりする。スプレーをして汚れを取り除いたあと、それでおしまいではなく、乾拭きは必須。さらにその乾拭きも念入りに行わないと、クリーナー成分自体が残って、ムラとなるわけだ。

  • ガラスクリーナーの拭き残しが内容にしっかり乾拭きする

    汚れやガラスクリーナーの拭き残し成分などを何回か乾拭きして完全に除去することが必要。除去力の高いマイクロフィバークロスがオススメ

  • クリーナーは「への字」にスプレー

    余分な残留成分が原因となるので、クリーナーは必要最小限だけにする。「への字」にスプレーすると無駄を抑えて、作業効率も上がる

ガラスクリーナーの成分にこだわるべし!

家庭用のガラスクリーナーはつや出し剤が入っているものもあって、これはギラギラの原因になるので避けたほうがいい。自動車用でもシリコンなど、つや出し成分が入っていることもあるので注意が必要だ。

まず確認するのは缶やパッケージの裏にある成分表で、シリコンなどのツヤ出し成分の有無。入っているからと言って一概にダメとは言えないので、そのうえで良さそうなのを使ってみて自分に合ったものを選ぶといい。ケミカル全般に言えることだが、一度お気に入りを見つけたらコロコロと変えないのもポイントになる。

お悩み解消STEP② 雨の日にギラギラ! 頑固な油膜をなんとかしたい

ガラスクリーナーをうまく使えば汚れは落ちて素の状態に。視界もクリアになっているはずで、日常的なお手入れであればこれでよし。

ただし、ガラスクリーナーでは解消できない問題がある。それが油膜だ。油膜とはガラス表面に付いたもので、原因はボディから流れてきたワックス分や排気ガスに含まれるオイル分など。これらは太陽の光で暖められて焼き付いた感じになるため、ガラスクリーナーレベルでは歯が立たなくなる。また古いウインドウ撥水剤の被膜も似たような感じになる。

そこでアイテム使いで解消だ。使うのは油膜専用クリーナーで、成分的にはコンパウンド(研磨剤)になる。つまり頑固な油膜を削り取って取り除くというわけで、そこまでやらないと落ちないのが油膜のやっかいなところだ。

使い方自体は簡単で、付属のスポンジに出してガラスを磨いていくだけ。ただ、なかなか落ちないのでひどい場合はかなりの労力がかかることもある。油膜が落ちたかどうかの見極めは、クリーナーを弾くかどうかで、除去できると弾きもなく、ベタッとした感じになるのでわかりやすい。

使用する際にもうひとつ注意点があって、コンパウンドだけにまわりに付くと白く残ってしまうし、服に付いても同様。クリーナー自体は水性なので、洗車の時に一緒に行なって、すすぎと同時に水で洗い流せばいい。油膜が完全に落ちていると、ベタッとした水膜がガラス表面に貼り付いたようにできるので気持ちがいい。

  • 油膜を落とすためのガラスクリーナー

    ガラス表面をゴシゴシとこすっていく。弾きが出たら、さらに重点的に落としていく。最近はオールインワンのスティックタイプもあって使いやすい

お悩み解消STEP③ ガラスコーティングの性能を最大限発揮させたい

汚れ、そして油膜が落とせれば、ガラス表面には汚れや不純物などはなくなって、あとはワイパーを定期的にメンテしていればクリアな視界を確保できる。ただし、アイテムという点からすると、ウインドウ撥水剤というのもオススメであるし、愛用している方も多いだろう。

ただ、実際に使っている人の意見を聞いてみると、「思ったよりも効果が薄れるのが早かった」、「撥水をあまりしない」などの声もあったりする。そもそもアイテム自体の性能がよくない場合もあるが、選び方が間違っていたり、施工の仕方に問題があったりする。

まず選び方から紹介すると、実はウインドウ撥水剤の成分にはシリコンとフッ素の2つがあって、前者は高撥水だけど被膜が落ちるのが早く、後者は逆でうまくかければ1年間ぐらい持つものもある。どちらがいい悪いではなく、自分の好みや施工頻度、クルマの使い方などによって選べばいいだろう。

そして施工についてはまず下地が大切で、ここまで説明したように油膜までしっかり除去しておこう。あとは説明書きをまず読んで確実に従うことが大切になる。ボディのワックスやコーティングも同様だが、なんとなく自分のやり方でかけるのはダメで、乾燥時間などはアイテムによって異なるので、しっかりと守ったほうがいい。

  • ウインドウ撥水剤がシリコン系かフッ素系かを確認

    シリコン系かフッ素系かは成分を見ると書いてあるので確認する

  • スティックタイプのウインドウ撥水剤

    最近はスティックタイプが主流で、手を汚すこともなく、効率よく塗り込める

  • ウインドウ撥水剤は説明書の通りに施工

    被膜の撥水力に関係してくるのが施工時の乾燥。アイテムによって異なるのでよく説明書きを読む

お悩み解消STEP④ ワイパーの拭きムラやビビリをなくしたい

ワイパーについて紹介する前に、点検方法を紹介しておこう。ゴム部分はやはり劣化が進みやすいので、1カ月に1度程度、亀裂や裂けがないかを確認。またゴムだけでなく、ブレード全体、つまり金属部分にガタがないかなども重要になる。ワイパーはゴムだけでなく、湾曲したフロントガラスへの圧着などはブレードが担当しているので、点検が大切となる。

そして交換自体は簡単で、アームとブレードをつなげているジョイントを切り離して、新品を逆の手順で付けるだけ。ワイパーメーカーは1年に1度の交換を推奨しているし、実際の状態を見ても毎年交換したほうが安全面でもベストだ。新品に交換すれば拭きムラは解消できるだろう。

そしてワイパーまわりのよくお悩みがビビリ。これは条件が限られていることが多くて、ウインドウ撥水剤をかけた場合に起こりやすい。つまり被膜とワイパーゴムの間にひっかかりが出てしまっているということになる。ワイパーのメーカーやブランドとの相性もあるので、交換して様子を見るのも手だが、不要なワイパーが出る可能性もあってもったいない。これも実はアイテム使いで解消が可能だ。

ワイパーのゴムに塗るコーティング剤や初期馴染のためにグラファイト(黒鉛)の粉を付けたものであれば、ガラス表面を滑らかに動くようになるのでビビリが解消される可能性は高い。ただし、あくまでも表面に塗ったり、付着させているものなので、時間が経つと次第に落ちてくるのが難点。

そこで利用するのが、コーティング効果のあるワイパーだ。ワイパーを作動させるとゴムに練り込まれた撥水成分がガラス表面に付いて、わざわざ別途塗り込まなくてもコーティングできるというのがウリ。コーティング済みのガラスに使用しても、被膜のメンテナンスになるし、もともと似たような成分のものがこすれ合うので、動きもスムーズになるのも当然。結果、ビビリ防止も大いに期待できるので、ぜひお試しあれ。

  • ヘタったワイパーゴム

    ゴムやブレードがヘタっていては本来の性能が発揮されてないのは当然のこと。写真のように曲がっていたら交換だ

  • スティックタイプのウインドウ撥水剤

    使うだけで撥水被膜を作ってくれるワイパーは撥水剤のメーカーから出ていることが多い

(文、写真:近藤暁史)

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