夫婦で80系ランドクルーザーを2台所有! 夫婦であり永遠のライバル!? 負けず嫌い夫婦の勝敗はいかに!?

2021年11月20日(土)と21日(日)の2日間、静岡県にある大路地ファミリーキャンプ場で開催された「第35回ランドクルーザーズ・ミーティング(LCM)」。
会場でハードにカスタムされた80系ランドクルーザーが目に留まり声をかけさせていただいたところ、ライバルでありながらお互いを認めあう、素敵な夫婦のお話を聞くことができた。

今回取材をさせていただいたのは、夫婦それぞれが80系ランドクルーザーを所有している「上瀧佳代子さん」と「上瀧新吾さん」で、LCMには2台で参加していた。
80系ランドクルーザーは、先代の60系で築き上げた「ラグジュアリーな4WD」というコンセプトを受け継ぎつつ、走行性能をさらにパワーアップさせたモデルだ。

ちなみに佳代子さんの乗るランドクルーザーの型式は「FZJ80G」、新吾さんは「HDJ81V」で、どちらも中期に製造された個体である。中期の80系は、ATが電子制御化され、エンジン制御がより機敏になり、燃費やドライバビリティが向上したのが大きなトピックス。
さらにブレーキディスクの大型化、一部グレードにはハイマウントストップランプも追加されるなど、走りを安定させる機能も搭載されている。

こうした80系に乗るお二人は、取材中にお話しを聞くたびに、「負けたくない」とか「悔しいから」とか、なにやらお互いに刺激しあっている、いや、バチバチにライバル視しているといったほうがしっくりくるかもしれない応酬が繰り広げられるのだ。

そんなお二人の、ライバル無くしては成しえなかったであろう“80ランクルワールド”をご紹介していこう。

まず、佳代子さんのFZJ80Gだが、ATからMTへとミッションスワップしているという。

「オフロードを走ったときに、路面に応じて自分でギアチェンジする操作感を味わいたかったんです。旦那のクルマはATなんですけど、MTは踏んでいればいいというわけにはいかないですし(ニヤリ)」と、まず操作感での差を見せつけてくる。

「またそんなこと言ってる!(笑)」という新吾さんのツッコミをスルーする佳代子さんに、なぜ夫婦でランドクルーザー80系に乗るようになったのか聞いてみた。

「ずっとセダンに乗っていたのですが、7年前に大雪が降ったことをキッカケに走破性のある78プラドに乗り換えたんです。はじめての四駆が嬉しくて、SNSで四駆仲間と知り合い、オフロードやミーティングに積極的に参加するようになりました。で、そんな私が楽しそうだったから旦那も真似して四駆を買ったんだと思います(笑)」と、さらに攻勢を強める。

新吾さんいわく、「決して妻に影響されたわけではなくて、もともとオフロードを走ってみようと思っていたから購入したんです!」とのことだが、真相はいかに(笑)?
どうせなら、佳代子さんよりも大きい四駆を買おうと思って選んだのがHDJ81Vだったようだ。

すると今度は、佳代子さんが78プラドに増車でFZJ80Gを所有するようになった。
そのいきさつは、「78プラドとHDJ81Vを並べると、旦那のクルマのほうが大きいのが許せなくて。だから、2台所有して旦那に勝ちたかったんです(笑)」と、見た目でも負けていられないようだ。

ランクル好き、オフロード好きという理由から、同じ時間を共有することが増えたからこそ、お互いをライバル視するようになっていったのだろう。

「私が車高を上げると向こうも上げてきたり、ハイリフトジャッキをバンバーの上に積んだら、負けじとあえて色を似せたスコップを積んできたりとか(笑)。あのルーフキャリアは私のだったんですけど、ちょっと外した隙に自分の物のようにつけたままにされています」

「ある日、旦那がARBのバンパーを取り付けてきたんですけど、旦那はフロント部分しかガードされていなかったので、私はサイドまでしっかりガードしてくれるARBバンパーを購入しました」と、攻めの姿勢は佳代子さんの方が強めか!?

一方の新吾さんは、佳代子さんのバンパーを見て対抗しようと思ったものの、お財布と相談して自作で対抗しているそうだ。

切磋琢磨(!?)しながら、車両をカスタムしているお2人だが、佳代子さんのお気に入りポイントはARBのバンパーで、新吾さんのお気に入りポイントはオフロードを走って付いた傷や凹みなのだとか。

「オフロードの走り方が真逆なんですよ。私はボディを凹ませないように、慎重にライン取りをしながら走るタイプで、旦那はグイグイ進んで行くタイプなんです。あとは、私は泥汚れを気にしないから田んぼの中も走るんですけど、旦那は汚れるのを嫌がりますね」

「そういった違いはあるんですけど、ランドクルーザーに出会って人生が変わったということはお互い一緒ですよ。今まで走ったことのないようなオフロードを走ったり、沢山の仲間に出会うことができたりしたのは、ランドクルーザーに乗ったからこそです。大袈裟なようですけど、人生が変わったんです。すごく楽しくなりました」と、ランクルは人生観すら変えてしまった相棒というわけだ。

それを聞いて「僕は人生で最後のクルマにしたいと思っています。乗りつぶしますよ!」と新吾さん。

最後に、佳代子さんに新吾さんについて聞くと「研究熱心な人だから、私の方が先にオフロードを走りはじめたのに直ぐに追いつかれちゃいました。好きなことに一生懸命な人だから」と旦那、そしてライバルとして、尊敬を込めた眼差しを送っていたこともお伝えしておこう。

夫婦というよりライバルだ!敵のような存在だ!と取材中にさんざん聞いたわけだが、筆者としてはこんな仲睦まじい素敵な夫婦はそうそういないのではないか、とうらやましささえ感じた。
佳代子さんは「強化クラッチを踏むのがつらくなってきた」とのことで、乗り換えも検討しているようではあったが、ともあれランドクルーザーが繋ぐ夫婦の絆は、ますます深くなっていくことは間違いない!

(文:矢田部明子 / 撮影:奥隅圭之)

[ガズー編集部]

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