[S耐フォトダイアリー]雨もコロナも何のその! 24時間レースが教えてくれるS耐の楽しみ方(2/2)

決勝レースが始まる頃には、薄暗くなり、雨もぱらついてきましたが、ここからはイベント広場や、観客の皆さんの様子をお届けしていきましょう。

イベント広場には、今回のレースの冠を務めるNAPACに加盟するメーカーのブースが出展しています。
NAPAC(ナパック)とは、日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会のことで、アフタパーツの安心・安全に対する基準を設け、安全で楽しいカーライフに向けたさまざまな活動を行ってくれている団体です。
スーパー耐久では、ここに加盟しているパーツメーカーの市販商品もそのまま使用されており、レースとストリートでの関連性が濃いレースとも言えます。

そして、それと同じくらい大きなエリアで出展しているのが、TOYOTA GAZOO Racing PARK です。

9月4日に正式発表となったばかりのGRヤリスや、GRスープラなどがレーシングカーと並んでいたり、GRの車両がズラッと並んでいます。

一角には、子供から大人まで楽しめるラジコン体験エリアもありました。これは、トヨタ社内の有志が集まって運営するトヨタラジコンカークラブが行っており、いろいろなレースイベントでラジコンの体験ブースを出していますよ。気になる人は公式ブログ(https://toyotarccarclub.boo-log.com/)をのぞいてみてください。

 

富士24時間レースの観戦の楽しみといえば、何と言ってもキャンプ!ということで、コースの各所に広がっているキャンプの様子をお届けしましょう。

まずはアドバンコーナーから300Rにかけてのエリアと、GRスープラコーナー付近。

ダンロップコーナー付近には、オートキャンプエリアや「Chill outbase 2020」というブースエリアがあり、出店や音楽、ワークショップなどで、昼も夜も楽しめるスポットがあります。

パナソニックコーナー(最終コーナー)の外側の芝生エリアにもテントがたくさん! 富士で24時間レースが開催されてから毎年来場しているというこのグループは、市販車ベースであるS耐、そして夜間走行やキャンプも楽しめる24時間レースを毎年楽しみにしていて満喫しているそうです。(写真がブレブレでごめんなさい)

レースはというと、夕方からは時折強く降る雨でセーフティカーランやFCY(50km/h以下の速度制限走行)の時間帯が多かったのですが、遂に土砂降りで赤旗中断に…。赤旗での中断時間は4時間30分にもおよびましたが、レーススタートから朝7:30頃まで断続的に導入されたセーフティカーランはその数10回、FCYは3回と、走っている側も観ている側としても、なんとも不完全燃焼のナイトセッションとなってしまったのではないでしょうか。

ただ、ナイトセッション中に打ち上がることになっていた花火の時間帯は雨が弱まっていたため、予定通りに行われました。走行しているマシンとの共演が見られなかったのは残念ですが、今年は多くの花火大会も中止となっていたため、いいひと夏の思い出となったのではないでしょうか。

日の出を迎えてもスッキリしない天気が続いた富士スピードウェイですが、こんなきれいな虹が出たりした瞬間もありました。

夜は雨が降り続けていたため、オートサイトエリアはご覧の通り水浸し。キャンプ慣れしている方に少し話を聞きましたが、風はすごいは、縫い目から雨も染みてくるはで、とりあえず荷物はテントにおいてクルマで寝たそうです。

決勝レース中のパドックでは、どのチームもホイールの洗浄を行っています。これは見た目をきれいにするだけでなく、すごく大事なお仕事なんです。
ずっと走っているといろいろなダストやタイヤのゴムなどがホイールに付着します。実際にホイールの内側にもタイヤカスがたくさん。この付着物によってホイールの重さのバランスが崩れて真円で回転しなくなってしまうんです。

そうすると、回転の軸がずれてしまい、タイヤの編摩耗やブレーキの効きが正常ではなくなったりして、走行に支障をきたすようになります。

実はこれ、市販車でも起こりうることですので、みなさんも一度ホイールを確認してみてくださいね。

そんな話を聞いたあと、イベント広場で改めて見たこの自衛隊車両。このタイヤってどう交換するんだろうと聞いてみましたが、機密上の問題で、何ピースかも、交換方法も教えてもらえませんでした…。30トン弱の重量がありますが、100km/hで走行できるそう!

レースは、ピット作業中にガソリンに引火し火に包まれたり(!)、フロントグリルの破損などのトラブルを乗り越えた HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3 が総合優勝を飾りました。

そして、最も話題となったのは ROOKIE Racing のST-1クラスのGRスープラ、ST-2クラスのGRヤリスがデビューウィンを飾ったことでしょう。モリゾウ選手と豊田大輔選手もナンバーワンポーズ! ピットに戻った後もチームの皆さんと記念撮影と、本当にS耐への参戦を楽しんでいる感じが伝わりました。

そして今回、やっぱりS耐っていいなぁと一番思ったのは、レース後にチーム関係者の花道を完走したすべてのマシンが通っていくところ。花道を作る全てのドライバー、スタッフ、関係者、レースクイーンの皆さんが、全てのクルマに拍手を送り、手を振り、笑顔で迎えます。

こんなレースありますか?
もちろん勝ったチームは喜びを爆発させるわけですが、全てのチーム、マシンに対して敬意と感謝と笑顔を送り合う、そんな素晴らしいスポーツマンシップがあふれる光景に、胸が熱くなったわけです。

ということで、長くなりましたが少しでもS耐の雰囲気を感じ取っていただけたら嬉しいです。
第2戦は10月10日~11日にスポーツランドSUGOで開催されます。次戦も現地からS耐の楽しさをお届けできたらと思います!

執筆:山崎リク

[ガズー編集部]

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