【連載全11話】第7話 フォード・マスタング・・・“長寿の車名”を持つクルマ

長年親しまれてきた車名は、そのクルマが多くの人に愛されてきた証しでもあります。今回は、途中でブランクを挟んだものも含め、車名が何代にもわたって使われている11車種をピックアップし、週替わりで紹介します。

フォード・マスタング

当時フォードの副社長だったリー・アイアコッカによる綿密なマーケティングから導き出された、「大衆が欲しているのはスポーツカーではなく、スポーツカーのように見えるクルマ」という結論に基づきつくられたモデル。実用的なコンパクトカーだったファルコンのシャシーに、スタイリッシュな2ドアハードトップまたはコンバーチブルボディーを架装。基本モデルを除き特定のグレードを設定せず、パワートレインからアクセサリーに至るまでの膨大なオプションリストを用意し、奥さまの買い物グルマから高性能GTまでユーザーが好みのモデルを仕立てるという画期的な販売手法を携えて1964年にデビューした。

すると、スポーティーで若々しいキャラクターとリーズナブルな価格設定、そして徹底したプロモーション戦略が功を奏し、発売から2年もたたずに累計生産100万台に達するビッグヒットとなった。この成功を見て、ライバルであるゼネラルモーターズ(GM)のシボレー・カマロをはじめフォロワーが続々と登場。実用車をベースにスタイリッシュなボディーを着せたモデルはスペシャルティーカーと呼ばれ、そのブームはやがて欧州や日本へと広がっていったのだった。

1974年に登場したマスタングIIと名乗る2代目はサブコンパクトのピントをベースにダウンサイジング。以後も代を重ねていったが、2005年に世代交代した5代目は初代をモチーフとしたスタイリングをまとって大いに話題となり、一時は低迷していた人気が復活した。

現行モデルは2022年に登場した7代目。2.3リッター直4ターボまたは5リッターV8を積む伝統のスポーティークーペだが、それより前の2019年にはマスタング マッハEと名乗る派生モデルが登場した。ボディーのところどころにマスタングのモチーフを用いた5ドアクーペSUVで、航続距離224マイル~312マイル(EPA-Est値/約360km~約502km)の電気自動車となっている。

[GAZOO編集部]

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