ペーパークラフト作り方のコツ。ペーパークラフト制作者から伝授!

GAZOO.com内でも提供しているクルマのペーパークラフト。いざ、愛車のペーパークラフトを作ろうと思っても、慣れないとなかなか難しいですよね。

そこで今回は、GAZOO.comをはじめ、さまざまなペーパークラフトを制作・発表しているW2STUDIOわたりともゆきさんに、上手に作るコツを聞きました。これを読めば、カッコイイ愛車のペーパークラフトを作れるかも!?

 

トヨタ車ペーパークラフト一覧

GAZOOで準備しているペーパークラフトは、超簡易的なペーパークラフトではありません。一部制作に高度な技術が必要な車種もありますが、昨今の車種については、誰でも制作できるレベルでありながら、リアルに仕上がり、お部屋に飾ってもインテリアとなるものと自負しています。車種数は50車種以上を準備しています。今後も新車が発売になり次第追加していく予定です。

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  • W2STUDIOわたりともゆきさん

【始める前】まずはペーパークラフトを作成するための道具をそろえよう!

  • 100円ショップで購入できるものばかり

すぐにハサミで切り始めるかと思いきや、わたりさんがおもむろに取り出してきたのは、これらの道具たち。ハサミのほかに、デザインナイフやカッター、そして定規が並びます。

「一部を除き、ハサミだけでも作れる程度の細かさにしていますが、カッターがあるほうがきれいに切れます。どれも100円ショップで買えるもので十分です。ただし、どんな刃物でも、ちゃんと切れる状態にしておくこと。切れない刃物を使うとかえって危ないので、切れ味が鈍いと感じたら、刃をかえるようにしてください」(わたりさん)

作る車種を選ぶ目安としては、説明に書かれた制作時間を参考に。ちなみに、新型ほど簡単、旧車のほうがちょっとだけ難しいのだそう。

  • 手が汚れず、細かい部分を接着できるピンセットもおすすめ道具

またピンセットもあると、細かい部分の接着に使えて便利とのこと。接着剤は市販の木工用ボンドなどでOK。ヘラなどもあると、のりを塗るときに手が汚れないですよ。

サイトからデータをダウンロードしたあと、印刷するときは0.17mm~0.22mmくらいの紙がおすすめ。各社からペーパークラフトに適した紙が発売されているので、文房具店などで購入可能です。さらに薄手のコピー用紙でも作れますが、時間が経つとへたってしまうそうで、長く残したいなら少し厚めの紙を選びましょう。

今回は、GAZOO.comのペーパークラフト一覧から、白のノアを作ってもらいました!

ペーパークラフトを上手に仕上げるコツ

コツ1 カットは、カッター,定規を使いゆっくりおこなう

「まずは、切りやすいように部分ごとにカットして切り出します」(わたりさん)

  • このあと、細かい作業がしやすいように、ハサミでざっくりと切り出す

カットの種類は大きく二つ。直線と曲線です。

「直線は定規を使ったほうが切りやすいし、きれいに切れます。なにより、ペーパークラフトにシャープさを出すことができるんです」(わたりさん)

  • 直線は定規+カッターで

曲線は紙を持って、ゆっくり切ることが上手に作るコツ。少しずつ紙を動かして、切るときに力が入りやすい角度にします。

  • 細かく紙を移動させながら、ゆっくりカッターをすすめる

細かい場所を切るときは、刃の向きを変えやすいデザインナイフが適しているとのこと。

「完成したとき、表に出る部分は丁寧にゆっくり、きれいに切るように心がけます。でも、見えない部分はざっくりでも大丈夫ですよ」(わたりさん)

<ポイント1 ハーフカットを行う>
より上手に作るために、カットの工程で、一緒にやっておいたほうがいいことがあるそうです。

「折り目をきれいに出すために、完全に切らない程度に、紙の厚さの半分程度を切る『ハーフカット』をします。これをやるときは、本当に軽く筋をつける程度に! シャープに折れるので、きれいに仕上がりますよ」(わたりさん)

直前部分は全部、カッターで筋を付けておくことが上手に作るコツ!

コツ2 きれいに折るコツは、事前に紙をならし、曲げてなじませる

切った後はすぐに組み立て……ではなく、紙をならすという工程を入れます。

すべての折り目を事前に山折り・谷折りの指示通りに折っておきます。

「まずは紙をちゃんと折ること。折りにくい場所はピンセットを使うと、細かいところもまっすぐきれいに折ることができます」(わたりさん)

  • ピンセットの側面を使うことで、細かいところをまっすぐ折り曲げることもできる

<ポイント2 タイヤはしごいて丸い形に>
難しいのは丸い形のタイヤ部分。きれいな円をつくるために、割り箸などでしごいて丸みをつけておくと、うまくできるそうです。

  • しごくことで、紙がきれいにカーブする

コツ3 組み立て

のりを塗る前に一度仮組みを行ってから、本体側にのりを付けて、貼り付けていきましょう。

組み立てるときに使う木工用ボンドは、時間が経つと白から透明に変化するため「ちょっとくらいはみ出しても気にしないで」とわたりさん。ヘラや割り箸を使うことで、ボンドが塗りやすくなります。組み合わせたら、しっかり固定するように軽くおさえることも忘れずに。

「組み立てるときは、ノアの後ろから貼り付けるとズレにくく、きれいに貼ることができます」(わたりさん)

  • まずは一番広い天井から組み立てを。続いて、後ろ部分、前部分と貼り付けていく

後ろから貼ることで、角があわせやすくなるとのこと。また、貼り付け面積が広い部分から貼っていくことで、全体がズレにくくなります。

  • 細かいところはピンセットを活用

のりを付けておさえていきますが、指にのりがつくとペーパークラフト本体を汚す原因に。バックミラーなどの細かいパーツは、ピンセットでおさえると、汚しにくく、きれいに付けることができます。

<ポイント3 タイヤののり付け前にも丸い形をしっかり整える>
事前にしごいてまるくしておいたタイヤ部分は、まず端と端をつなげて円形にします。そのあと、再度箸などを使い、まるい形に整え直すことで円がきれいになります。

  • 両端をのり付けし、円を作った後、さらに箸などでまるみを整える

さらにのり付けも楽になるので、ぜひこの一手間を取り入れてみてください。

  • 箸の先を使うとおさえやすい

整え終わったら、タイヤ側面をのり付けします。裏からしっかりおさえましょう。

  • きれいな円形のタイヤが完成

次に車体の内側部分を組み立てます。ここでもこだわりたいのはタイヤ部分。車体の丸とタイヤの丸をしっかりあわせてから貼り付けます。ここを丁寧に行うことで飾ったときに安定感が出ます。

  • 置いたときにガタガタしないよう、位置や高さが合うように試しながら作ろう

<ポイント4 車体がガタガタしないようタイヤの貼り付け位置を注意する>
次に、立体にしたタイヤを貼ります。ここで上手に貼るコツは、立体になっているタイヤのつなぎ目部分を下に持っていきましょう。

  • つなぎ目を下にすれば、完成したときにつなぎ目部分が見えなくなる

これで本体外側、内側ともに完成しました。

  • あとはこの2つを組み合わせるだけ

最後に、2つの車体を組み合わせます。貼り付ける前に、まず仮組みしてタイヤ部分がホイールのアーチの中央になるようあわせましょう。

  • ホイールの位置にはこだわって

コツ4 仕上げ

組み立て完成で終わり……ではなく、よりかっこよくするための一手間があります。

<ポイント5 黒い部分を塗る>
紙には厚みがあるため、重ねると紙の断面が見えています。車体が白い部分は目立ちませんが、タイヤなど黒い部分は白い紙が目立ってしまうのです。そこで使いたいのが、マーカーペンなどの黒いペン!

  • 塗るのは組み立て前でも組み立て後でもOK

「わずかに見える白い部分を塗っておくことで、より本物っぽく仕上がります」(わたりさん)

リアリティを求めるなら、最後の一手間も忘れずに。

  • 2枚の紙から無事ノアが完成!

手軽にチャレンジできるペーパークラフトも、コツを生かせば、よりかっこよく仕上がります。ぜひ、このコツを参考にしながら、GAZOO.comのペーパークラフトにチャレンジしてみてください!

<関連リンク>
W2STUDIO(わたりともゆきさんのホームページ)
W2STUDIO Instagram
超精密ペーパークラフト(ハンドメイドサイトCreema内)

(文:ミノシマタカコ/撮影:小野奈那子/編集:ノオト)

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