トヨタ・セラに中学生でひとめ惚れ 憧れのセラライフを始めた若者の物語

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90年式のセラ(EXY10)に乗るのは、現在25歳の渡邊さん。
憧れだったセラに乗り換えて数年が経ち、実際に乗ることでセラの良さだけではなく、クルマを維持することの難しさにも直面しているとのこと。

25歳という若さで、セラとのカーライフをどのように楽しんでいるのか、伺いました。

今回は、セラ×渡邊さんのお話です。

――これまで、どういうクルマに乗られてきたんですか?

5年前、ミニキャブを購入し、約2年間乗っていました。
当時、マニュアルのクルマに乗りたくて、ミニキャブバンにしたんですよ。ミニキャブバンは、マニュアルの楽しさを教えてくれましたね。その後にセラに乗り換えたんです。

――セラの存在は、元々ご存知だったんですか?

初めて知ったのは…確か中学生の時でした。
たまたま、実家近くの中古車屋に気になるクルマが置いてあったんですよ。その時は、クルマに興味を持ち始めていた時期だったので、あまり知識が無く、セラを知らなかったんですよね。
それで、「なんだろう?このクルマ」ってめちゃくちゃ気になって…。プライスボードを見ると「セラ」と書いてあったので、家に帰って速攻調べました(笑)。

――それで、セラというクルマをしっかり認識するわけですね(笑)。

はい。調べた時は「なんだこれは!?」って、一瞬で魅了されました。その時、あまりのカッコ良さに「いつか絶対に乗ってやる!」って思ったんですよね。

――決意をしたんですね。それで、セラはいつ購入できたんですか?

3年前、ずっとカーセンサーに張り付いていたんですよ。程度の良いマニュアル車が売りに出るまで、ずっと待ち構えていたら、すぐにマニュアルのセラが売りに出されたので、購入しました。

――ちなみに、渡邊さんは、セラのどこに1番惹かれたんですか?

やっぱりガルウィングドア※ですよね。それと、車体の上半分が全部ガラスっていうのが今までに見たことがなくて。デザインがとにかくカッコ良くて、かなり衝撃を受けました。
トヨタ公式リリースの名称

――正にひと目惚れという感じだったんですね。ミニキャブから乗り換える時、中学生の時に見たセラが忘れられなかったんですね

そうです(笑)。他の車種に目移りしたり、他のカッコ良いクルマを見て、乗ってみたいと思ったりはしたんですけど、あのガルウィングドアのカッコよさが忘れられなくて「やっぱりセラに乗ってみたい!」って、戻ってきたんですよ。

――ひと目惚れの力ってすごいですね!ところで、セラに求めていた条件は、マニュアルだけだったんですか?

そうですね。マニュアルというのを1番重視していたかも…。あとは、グリニッシュイエローっていう、ゴールド系のボディカラーが本当は欲しかったですけどね。オーディオ系にもこだわりたかったんですけど、全部満たすモノはなかなか出てこなくて、仕方ないと飲み込んでいました。そもそも生産数が、約16,000台しかなくて、その内マニュアル車が4,000台くらいしかないなので、約4分の1くらいの割合なんですよ。なので、走行距離も少ない+マニュアルってことで、これ以上のものは出てこないだろうなと、購入することに決めました。

――マニュアル車にこだわる理由は何故なんですか?

実家のCVT車に乗っていたんですが、運転していても退屈に感じて、面白く無かったんです。それで、ミニキャブに乗るようになって、やっぱりマニュアルは操縦感があって、運転していて楽しいと実感したんです。

――セラを購入後は、すぐに乗り倒したんですか?

実は、実際にセラを目の当たりにして「意外とボロいな…。」って思っちゃって(笑)。
おそらく、以前は、ガレージ補完だったと思うんですけど、外から見えない細かい箇所が、だいぶボロボロだったんですよ。まあ古いクルマだからしょうがないことなんですけどね。
それと、エアコンの調子が悪くて…。直しはしたんですけど、まだ完調ではないんです。足回りも、結構音がしているので心配です。これ以上不調を増やしたくないので、通勤で使用するくらいにして我慢しています。本当はもっと乗りたいんですけどね。

――上半分がガラス張りというのは、実際どうでしたか?

これがですね…冬場はめちゃくちゃ曇るんですよ。冬の朝なんかは何も見えないです(笑)。これは、セラ乗りが感じる「あるある」だと思います。
それと、実は運転手視点、そんなに普通のクルマと視界が変わらないというか…。ガラス張りだからといって、運転していて特別なことは、ほとんどないんですよね。
助手席に座っていれば、ガラス張りは楽しいと思いますが。

――実際に運転してみると、景色の良さは意外と感じないんですね?

運転中は、意外と視界に入らないんですよね。だけど、例えば「山に行ってクルマを停めて星を見る」とかのシチュエーションだったら、めちゃくちゃ良いクルマだと思います。セラは、走行面で強いのではなくて、ガルウィングドアのカッコ良さとか、駐車して景色を楽しむみたいな、そういう個性があるクルマなんですよ。

――セラに乗り続ける理由は、そういう個性が魅力だからなんですか?

もちろん、そういう個性も好きです。それと、最終的に行き着くのが「やっぱりセラが好き」なんですよね。他にもGTOとかZ32とか、そういった旧車も好きなんですけど、個人的にはセラの美しさには勝てないんですよ。

あとはガルウィングドア、ここに全ての魅力が詰まっていると言っても過言ではないです。私がセラに乗る理由は、ほぼ、この「ガルウィングドアがカッコ良いから」に尽きるんです。多分、ほとんどのセラ乗りたちも、そこに魅力を感じていると思います。

――確かに開いた時の姿がめちゃくちゃカッコ良いですよね。他のお気に入りポイントはあるんですか?

ガラス張りで、外からも見えるようになっているのを考慮してか、内装が結構おしゃれな作りになっているんですよ。例えば、ボタンとかメーターの数字が、全部黄色基調になっているんですけど、こういうのって他の車種にはなかなか無くて、気に入っているポイントです。

――なんだかんだセラライフを存分に楽しんでいるんですね。今後はどのようなセラライフを送っていきたいですか?

特にいじることもせず、今の純正のままで、慎重にゆっくり運転して、大切に乗っていきたいです。結局、現状維持みたいになっちゃうんですけどね(笑)。セラライフをこの先も穏やかに楽しみたいです。

セラのドアを開ける時、誰かの視線を感じると、その度に誇らしく思うという渡邊さん。セラに乗っていると自分もイケてるような、そんな感覚にもなるとのこと。

月に1度、思う存分走りに行く日があるみたいですが、本当はもっと頻繁に走りにいきたいのだとか。
セラが大切だからこそ、慎重に走る渡邊さん。

この先、絶好調なセラと一緒に走る渡邊さんが見れる日を、楽しみにしています!

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オーナーさん

(文:秦 悠陽)

MORIZO on the Road