旧車が好きだ!だから僕は整備士になった。22歳の青年がユーノス100と送るカーライフ
リトラクタブルヘッドライトが好き、カクカクしたクルマが好き、メカメカしい方がいい…etc…。自分の条件を満たすクルマって何だろう?と考えた時に、旧車しかないと気付いたという「原田さん」。
よく壊れる、維持費がかかるなどの噂を聞き、それならば、と選んだ職が“整備士”だったそうです。
今回は、原田さん×ユーノス100 のお話をお届けします。
――まずは、ユーノス100を手に入れた経緯を教えて下さい。
ある時X(旧Twitter)のDMで、「よかったら、ユーノス100を購入しませんか?」というメッセージがきたんですよ。
――それって、記載されているURLを押すと、ヤバいサイトにいくという迷惑メッセージなのでは?
僕もそう思ってました(笑)。だって、送ってくださった方は僕のフォロワーさんでも何でもなかったし、1度もやり取りしたことのない方でしたから。
ちょっと怪しいなと思っていると、同じ時期にユーノスプレッソオーナーさんのところにも、同じメッセージを送っていたことが分かったんです。僕はアスティナも所有しているんですけど、どうやらユーノス100にまつわるクルマに乗っている人に声をかけているということが分かりました。
――ますます雲行きが怪しくなってきた気がします……。
あはは(笑)。でも、実際に話を聞いてみると、所有するのが難しくなってしまったという事情や、なによりワンオーナーで大事に乗ってきたという思いがヒシヒシと伝わってきたんですよ。それで、1日悩みに悩んで購入することを決めました。
――1日……。それ、ほぼ悩んでないのでは?。
とにかく!そこから僕のユーノス100ライフが始まったというわけです。
――何はともあれ、買って正解だったってことですね♪そして、旧車に乗るために整備士になろうと思ったわけですから、正解どころか大正解です!
はい!実際に、ユーノス100やアスティナに乗っていると、整備士で良かったなと思うことは沢山ありますよ。
――そもそも、整備士になろうと思ったのはいつなのですか?
旧車に乗りたいけど、実際どんな感じなんだろう?と学生の時に調べていたら、壊れる、維持費がかかる、部品が無いなどのワードがズラリと出てきたんですよ。
ほかには、ほんの小さいパーツが◯万円もするということを知って、これは社会人になって給料をもらうようになってもキツいぞ…と感じたんです。だったら自分でメンテナンス出来るようになろうと思って、整備士の資格を取りました。まぁ、整備してるのはバスなんですけどね。
――え、バス?
そうです。バスです。
――ま、まぁクルマという大きな括りでいうと、同じですよね!それに、整備が自分で出来るというのは変わらないんだから、工賃タダは大きいです!
確かに、そのために整備士になりましたから(笑)。ただ、部品の高騰はどうしても避けられないですけどね。
――私もヤフオクをちらっと覗いたことがありますが、ライトが7万円という車種がありましたよ。で、売れてました……。
あれ、ビックリしますよね!ここ数年の旧車ブームの影響もあってか、車両価格だけじゃなくて、それに付随するアイテムがどんどん高くなっていっているんですよ。
――ぶっちゃけ、維持は大変ですか?
僕のユーノス100は、購入した時からそんなに状態が悪くなかったんですよ。むしろ、ディーラーメンテ車だったから“極上”と言えると思います。
元オーナーさんは運転にとても慎重な方だったらしく、丁寧に乗っていたそうなのですが、奥様の運転が荒々しかったとのことで(笑)。左側面にガリっと傷があったり、ミラーが畳めなかったり、ハイマンウントが付かなかったりと些細なことでした。だから、全然大変じゃないです。
――でも、部品は購入しないとダメでしょう?その点では困らなかったのですか?
ライトは断線していただけだったので、ハンダでつければOKでしたし、ミラーは中古のファミリア系統であれば何でも流用できるので、ファミリアハッチバックのミラーを取り付けました。
たまたま色が同じものが出品されていたのはラッキーでしたね♪ユーノス100の純正部品しか使わないとなると、生産台数も少ないし大変だと思うのですが、この車種は流用できるパーツが多いから、そこまで大変では無いかもしれません。
あとは、海外で323Fという名前で販売されていたので、海外に目を向けると結構あったりするんですよ。
――なるほど。部品の流用ですか!ちなみに、そういうのってどうやって見つけるのですか?
この車種ならつくんじゃないかと予想したり、古くから乗ってらっしゃるオーナーさんから色々教えて頂いたり、そういった情報をブログにアップされる方が沢山いらっしゃるんです。
ついこの前は、リトラクタブルヘッドライトのヒューズを抜いて、転換用のダイヤルネジを回すと半目っぽくなるという裏技を教えてもらいました。
僕は、こういうのが旧車の楽しみ方だと思っているんです。触る楽しみ、修理しながら乗る楽しみは、新型車では出来ないんですよ。なぜなら、新型車はすごくよく出来ていて、純正状態が1番バランスのとれた状態で売られていると思うからです。
逆に手を加えてしまうと、エラーが入って動かせなくなったり、下手をするとそのクルマ本来の良さが無くなったりしてしまうこともあります。
だけど旧型車はそうはいかず、気になるところに手を施して、自分好みに変えていくことが出来るんです。同じクルマなのに、全然違うクルマじゃん!みたいなこともよくありますよ。
だから、性能や利便性は劣ってしまうかも知れないけど、“自由度”を求めるなら断然旧車だと思います。
そう言う原田さんの声が、あまりにもキラキラしているから、筆者も楽しくインタビューさせて頂きました。これから沢山の新型車が登場しても、旧車の良さは引き続き受け継がれていくでしょう。
(文:矢田部明子)
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