【フィアット 500c 新型試乗】このバイブレーションと音こそ“チンク”なのだ…島崎七生人
電動車『500e』が上陸したばかりだが、従来型のガソリン車の販売は当面継続とのこと。そこで今回は“現行モデル”では最新仕様の『500C』を試乗してみた。
分別のわかる大人の日常の足
一応『500』のオーナーであるレポーターだが、迂闊にも直近のグレード構成を知らずにいたので改めておくと、エンジンは変わらず4気筒の1.2リットルと2気筒875ccのツインエアの2機種、グレードは当初からの「ポップ」と「ラウンジ」が、直近では「Cult」と「Dolcevita」に置き換わっている。カタログ(Webで閲覧可能、紙のカタログは普通にはもはや入手困難)は全16ページに縮小されてはいるものの、目を通すと最新の内容にはなっており、別紙でボディ色(といっても全4色だが)などもわかる。
試乗車は『500c』のDolcevitaで搭載エンジンはツインエア。Dolce……は2020年10月に限定車として登場したモデルでもあるが、いつの間にかカタログモデルとなり、限定車の時にはリヤに装着されていたエンブレムを左右フェンダーに装着。試乗車をベースに言うと、ボンペイグレーのボディ色とアイボリーのトップ、15インチ14スポークアルミホイールの組み合わせは、それまでにはなかったもので、ブラック/アイスという識別名のシート表皮およびインテリアの設えも、この最新型(最終型?)ならではのコーディネーションだ。
TFTメータークラスター(液晶メーター)はカタログモデルとしてはグレードアップした部分、ドアを開けると見えるサイドシル部分のアルミキックプレートも初期の純正品とはデザインが異なる。全体としては分別のわかる大人の日常の足ないしはセカンドカー、そんな趣のクルマだ。
パドルスイッチが付いても素性はそのまま
走りは、ツインエア登場以来のあの感じ、である。パワーフィールも乗り味も一切何も変わっていない。そんな中で「おや!?」と思ったのは、パドルスイッチが付いていたこと。「これは!」と思い早速試してみたが、自動変速機のデュアロジックのメカ、プログラムが変わって(進化して)いる訳ではないから、たとえ手元でスイッチをスッ!と素早く操作しても、実際の変速はこれまでどおりの“間合い”で行われる。
レポーターが現在の足にしている7万km+のツインエアとはメカ的なヤレの部分を差し引いてみると、良くもそうでなくともツインエア車の素性は一切変わらない。走行中の場面により起こる固有のバイブレーションや音は、それがあるからこそツインエアであり“チンク”なのだと思う次第だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
分別のわかる大人の日常の足
一応『500』のオーナーであるレポーターだが、迂闊にも直近のグレード構成を知らずにいたので改めておくと、エンジンは変わらず4気筒の1.2リットルと2気筒875ccのツインエアの2機種、グレードは当初からの「ポップ」と「ラウンジ」が、直近では「Cult」と「Dolcevita」に置き換わっている。カタログ(Webで閲覧可能、紙のカタログは普通にはもはや入手困難)は全16ページに縮小されてはいるものの、目を通すと最新の内容にはなっており、別紙でボディ色(といっても全4色だが)などもわかる。
試乗車は『500c』のDolcevitaで搭載エンジンはツインエア。Dolce……は2020年10月に限定車として登場したモデルでもあるが、いつの間にかカタログモデルとなり、限定車の時にはリヤに装着されていたエンブレムを左右フェンダーに装着。試乗車をベースに言うと、ボンペイグレーのボディ色とアイボリーのトップ、15インチ14スポークアルミホイールの組み合わせは、それまでにはなかったもので、ブラック/アイスという識別名のシート表皮およびインテリアの設えも、この最新型(最終型?)ならではのコーディネーションだ。
TFTメータークラスター(液晶メーター)はカタログモデルとしてはグレードアップした部分、ドアを開けると見えるサイドシル部分のアルミキックプレートも初期の純正品とはデザインが異なる。全体としては分別のわかる大人の日常の足ないしはセカンドカー、そんな趣のクルマだ。
パドルスイッチが付いても素性はそのまま
走りは、ツインエア登場以来のあの感じ、である。パワーフィールも乗り味も一切何も変わっていない。そんな中で「おや!?」と思ったのは、パドルスイッチが付いていたこと。「これは!」と思い早速試してみたが、自動変速機のデュアロジックのメカ、プログラムが変わって(進化して)いる訳ではないから、たとえ手元でスイッチをスッ!と素早く操作しても、実際の変速はこれまでどおりの“間合い”で行われる。
レポーターが現在の足にしている7万km+のツインエアとはメカ的なヤレの部分を差し引いてみると、良くもそうでなくともツインエア車の素性は一切変わらない。走行中の場面により起こる固有のバイブレーションや音は、それがあるからこそツインエアであり“チンク”なのだと思う次第だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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