【スズキ アルト 新型試乗】軽自動車の範疇を超えて乗りこなせるコンパクト…島崎七生人
豊かさ、おおらかさを感じさせるスタイリング
シンプルで愛が強かったのが先代……とは、チーフエンジニア・鈴木猛介さんの説明。それに対して新型スズキ『アルト』は、誰からも愛着を持たれ、長く乗ってもらえるような“親しみやすく、やわらかなクルマ”にしたかったのだという。
なるほど実車を見た瞬間、その意図はわかった。何よりいいと思ったのは、シンプルで廉価な軽自動車でありながら、豊かさ、おおらかさを感じさせるスタイリングだということ。
軽自動車はともすればペーパークラフトのような直線と平面の組み合わせで出来たように見えるクルマも多々あるなか、新型『アルト』は、ボディサイドのふくよかな面質、ボディの“カドR”などもシッカリと大きめで、コンパクトなクルマながらひ弱に見えず、安心感がある。『ラパン』ほどファニーでもない。ヘッドランプの形状に、それとなく先代の面影を残すも、全体にアクは強過ぎず、長く乗っても飽きはこなさそう、だ。
インパネのデザインはややゴツッ!とした感じ
一方でインテリアは、デニム調のシート表皮がアクセントにはなっているが、インパネのデザインはややゴツッ!とした感じ。4ナンバー車が非設定の新型は、ビジネスユースも考慮し、物入れの豊富さに配慮したとのことだが、フィアット『500』似の『ワゴンRスマイル』のインパネほどではなくていいが、センターパネルまわりなど、もう少し雰囲気重視のデザインでもよかった気はする。
とはいえ聞けば、ヒップポイントは変えずにドア開口上部を20mm高くし、ベルトライン(サイドウインドゥの下端)は35mm下方へ下げ、とにかく視界(と乗降性)を良くしたという。その恩恵は絶大で、高すぎない安心感のある着座位置ながら、スッキリと周囲が見渡せるポジションがとれる。
後席のゆとりも十分なもの。前後ともドアは大きく開き、リヤドアのガラスは下まで完全に降りきる(シンプル指向のAグレードは固定式だそうだが)。
軽自動車の範疇を超えて乗りこなせそう
シリーズで最高の27.7km/リットル(WLTC)の燃費を打ち出すパワートレインは、加速時にモーターアシストを効かすマイルドハイブリッドを採用。街中メインの用途で言えば、言葉で表わせば必要にして十分なもの。軽快で不満のない走りを示す。乗り心地、静粛性もボディのシッカリ感や音や振動への各部の対策により、なかなか快適なレベル。
軽自動車の範疇を超えて、使い心地のいいコンパクトカーとして乗りこなせそうなクルマだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
シンプルで愛が強かったのが先代……とは、チーフエンジニア・鈴木猛介さんの説明。それに対して新型スズキ『アルト』は、誰からも愛着を持たれ、長く乗ってもらえるような“親しみやすく、やわらかなクルマ”にしたかったのだという。
なるほど実車を見た瞬間、その意図はわかった。何よりいいと思ったのは、シンプルで廉価な軽自動車でありながら、豊かさ、おおらかさを感じさせるスタイリングだということ。
軽自動車はともすればペーパークラフトのような直線と平面の組み合わせで出来たように見えるクルマも多々あるなか、新型『アルト』は、ボディサイドのふくよかな面質、ボディの“カドR”などもシッカリと大きめで、コンパクトなクルマながらひ弱に見えず、安心感がある。『ラパン』ほどファニーでもない。ヘッドランプの形状に、それとなく先代の面影を残すも、全体にアクは強過ぎず、長く乗っても飽きはこなさそう、だ。
インパネのデザインはややゴツッ!とした感じ
一方でインテリアは、デニム調のシート表皮がアクセントにはなっているが、インパネのデザインはややゴツッ!とした感じ。4ナンバー車が非設定の新型は、ビジネスユースも考慮し、物入れの豊富さに配慮したとのことだが、フィアット『500』似の『ワゴンRスマイル』のインパネほどではなくていいが、センターパネルまわりなど、もう少し雰囲気重視のデザインでもよかった気はする。
とはいえ聞けば、ヒップポイントは変えずにドア開口上部を20mm高くし、ベルトライン(サイドウインドゥの下端)は35mm下方へ下げ、とにかく視界(と乗降性)を良くしたという。その恩恵は絶大で、高すぎない安心感のある着座位置ながら、スッキリと周囲が見渡せるポジションがとれる。
後席のゆとりも十分なもの。前後ともドアは大きく開き、リヤドアのガラスは下まで完全に降りきる(シンプル指向のAグレードは固定式だそうだが)。
軽自動車の範疇を超えて乗りこなせそう
シリーズで最高の27.7km/リットル(WLTC)の燃費を打ち出すパワートレインは、加速時にモーターアシストを効かすマイルドハイブリッドを採用。街中メインの用途で言えば、言葉で表わせば必要にして十分なもの。軽快で不満のない走りを示す。乗り心地、静粛性もボディのシッカリ感や音や振動への各部の対策により、なかなか快適なレベル。
軽自動車の範疇を超えて、使い心地のいいコンパクトカーとして乗りこなせそうなクルマだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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