新型「トヨタ・シエンタ」“ハイブリッド押し”のまるも亜希子がインプレッション

ユーティリティーに優れる新型「トヨタシエンタ」だが、その乗り味はどうなのか? 今回はカーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子が、ハイブリッドモデルの走りをリポートする。

外観の雰囲気が大きく変わった新型シエンタ、その走りはどうだろう。プラットフォームはTNGA(Toyota New Global Architecture)のGA-Bブラットフォームを採用。軽量化を図りつつ、高剛性化を実現したとされているのだが、その剛性アップの手法で興味深いのが、静粛性や振動抑制、上質感向上のために、3種類の接着剤を使い分けたという点だ。特に運転席まわりの接着剤にはこだわったのだそうだ。

新型シエンタでは4WDの設定はハイブリッドモデルの「E-Four」のみとなり、後輪は独立したモーターで駆動。全車にトーションビーム形式のリアサスペンションが採用されたのもトピックだ。前述の接着剤へのこだわりには、この足まわりだけでは抑えきれない“ビリビリとした細かい振動”を抑える目的もあるという。

試乗したハイブリッドモデルのパワートレインは、ダイナミックフォースエンジンと呼ばれる高効率でパワフルな新世代の1.5リッターエンジンとモーターによるハイブリッドシステム。走行モードはノーマル/エコ/パワーと3つが選べる。このうちパワーモードは、アクセル操作に対して力強いレスポンスが感じられる設定。対するエコモードは穏やかで、エアコンの効きも控えめにすることで低燃費に貢献している。

市街地で走らせてみると、先代のスポーティー路線の走りとは真逆ともいえる、上質でゆったりとした乗り味が好印象だった。加速フィールも滑らかで、ステアリングの感触は落ち着きがあって操作しやすい。高速道路に入れば、道路の継ぎ目からくるショックのいなし方が優秀で、3列目シートでの乗り心地もなかなか快適。以前試したことのあるトップグレードの4WD車は特に安定感が高く、シートが改良されたこともあって、終始リラックスして運転できた。

ややカジュアルで軽快感が印象的なガソリンモデルと、上質でゆったり感の高いハイブリッドモデル。ファミリーでロングドライブにも出かけることが多いなら、新型シエンタはハイブリッドモデルをすすめたい。

(文:カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子)

[GAZOO編集部]

他の試乗記情報はこちら

MORIZO on the Road