乗れば驚くことばかり! ルノー「キャプチャーE-TECHハイブリッド」の試乗リポート
ルノー独自のハイブリッドシステムを搭載するSUV「キャプチャーE-TECHハイブリッド」にワインディングロードで試乗。メカニズムのハイライトや乗り味についてリポートする。
ルノー キャプチャーに新たに設定された、その名も「E-TECHハイブリッド」は、輸入車では珍しいフルハイブリッド車である。1.6リッター自然吸気エンジンと2つの電気モーター、さらに「ドッグクラッチマルチモードAT」を組み合わせるのが特徴だ。
このシステム、なかなかに複雑な機構なので説明が難しい。ともあれこのドッグクラッチマルチモードATは内燃エンジン側に4段、2つのモーターのうちメインとなるモーターの側に2段のギアを備え、EV走行×2、ハイブリッド走行×8、エンジン走行×4の計14通りのうち、ほぼ同ギア比となる2速分を差し引いた計12通りのギアを自在に選択することで、高効率な走りを実現する。
しかも、それらの切り替えにドッグクラッチを使うのがルノーのアイデア。F1の技術を応用したドッグクラッチを、巧みな制御で活用して走りと効率性につなげる。おかげでキャプチャーE-TECHハイブリッドは輸入SUVナンバーワンという燃費(WLTCモードで22.8km/リッター)を達成する一方、回転上昇と加速感がリンクしていてダイレクト感にも富んだ、ルノーいわく「ハイブリッドの常識を覆す走り」を実現してみせたでのある。
思わずアクセルを踏み込みたくなる。そんなパワートレインを、フットワークの良さがさらに引き立てている。なにしろロードホールディングが良く、ロールはそれなりに大きいものの、タイヤがしっかり路面に貼り付いて離れない。このあたりはまさにルノー車共通のテイストで、乗り心地はバツグンにいいのに、ついついペースが上がってしまうのだ。しかも、燃費を悪化させることなく。
しかもアダプティブクルーズコントロール(ACC)、レーンセンタリングアシスト、それらを組み合わせたハイウェイ&トラフィックジャムアシストといった最新の運転支援システムも標準装備。このあたりは日産とのアライアンスの恩恵をフルに生かしている。
キャプチャーE-TECHハイブリッドの走りは、ドライバーをどんどん遠くへ出かけたいという気持ちにさせるものだ。でも大丈夫、このクルマは期待どおり、燃費も上々である。
(文:モータージャーナリスト・島下泰久)
[GAZOO編集部]
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