【動画】「ホンダ・ヴェゼルe:HEV」試乗インプレッション 試乗編
新型ヴェゼルに新たに搭載された2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」。約9割のユーザーが、純ガソリンエンジンのグレードではなく、こちらを選んでいるという。今回の試乗車もハイブリッドモデルだ。
まず、ヴェゼルの運転席に座ると、視界がとても広いことに驚かされる。メーターバイザーやカーナビ画面の高さを低くし、ダッシュボードと極力フラットになるよう設計されているので、前方が開けていて安心感がある。
スタートボタンを押して、アクセルペダルを踏み込んでみると、エンジンは沈黙したまま、ヴェゼルはスイーッと滑らかに走りだした。e:HEVは、積極的にモーターで駆動する設定になっているので、先代ヴェゼルに乗っていたユーザーは、これだけでも「進化したな」と実感できるのではないだろうか。アクセルペダルをやや強めに踏み込んだり、高速走行したりしている時はエンジンが始動するが、1.5リッター直4エンジンとモーターの協調制御はとてもうまくできていて、その切り替えはなかなかわからないほどだ。
全体的な乗り味も、とても上質で心地いい。先代は、ハンドリングがややクイックで、足まわりは少し硬かったが、新型ではその印象が大きく変わった。乗り心地は滑らかで、ハンドリングは切ったなりに素直に曲がっていく。良く言えば、大人っぽいしっとりした雰囲気になったし、悪く言えば、軽快感は薄れた。ややどっしりとした重みを感じるモデルになっているのだ。スポーツカーなどを運転するのが好きな人であれば、先代を好まれるかもしれないが、おそらく多くの方は、乗り心地が良くて快適な新型のチューニングを支持するだろう。その点でも、新型ヴェゼルは、より多くのユーザーを獲得できるように思える。
先代のとがっていた部分を丸めつつ、全方位的にレベルアップしたヴェゼル。さまざまな視点からみても、悪い部分を挙げることが難しい、バランスに優れたモデルだと感じた。これほどの人気なのにも、素直に納得できてしまった。
(文:自動車ライター・伊藤 梓)
[ガズー編集部]
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